対策薬剤の効果試験
概要
対策薬剤・殺菌剤・除菌剤の製造・販売企業からの微生物(細菌、真菌)およびダニ・昆虫に対する効果判定試験を受託いたします。
1) 微生物に対する効果試験
【細菌】
黄色ブドウ球菌菌(Staphylococcus aureus;グラム陽性菌)および大腸菌(Escherichia coli;グラム陰性菌)を供試菌として効果試験を行います。
抗菌試験(JISZ2801,2012)<抗菌加工製品に対する抗菌性試験・抗菌効果判定>またはハロー法(JIS L 1902)<発育阻止帯の確認試験>で試験を行います。
また、ご希望に応じたオリジナルの実用試験を行います。
ハロー法<除菌剤の抗菌性能試験>の詳細
1.目 的 「除菌・消臭剤」に制菌効果(除菌とか抗菌とか呼ばれている)があるかどうか判定する初歩的な評価法として広く用いられている。抗菌成分が細菌や真菌に対して,どれくらい増殖を抑制する効果があるかを判定する際に用いる。
2.評価法の名称と概要 ハロー法(ペーパーディスク法・寒天拡散法・アロマトグラムとも呼ばれる)。抗菌剤をペーパーディスクに染み込ませ,菌液を塗抹した寒天培地に乗せて培養する方法。ペーパーディスクの周囲に形成された阻止円の径を計測することによって,抗菌効果を評価する。
3.試験法の事例
3-1.供試品 市販の除菌剤
3-2.供試微生物 細菌:表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis:濃度106 cfu/mℓ)
3-3.試験の手順
①細菌液を寒天培地に均一に塗抹する。細菌液を塗抹する寒天平板培地は,普通寒天培地を用いる。寒天平板培地に菌液100μℓずつ滴下し,滅菌コーンラージ棒で平板培地に均一に塗抹する。
②供試品(抗菌剤)の添加と配置抗生物質検定用ペーパーディスク(厚手8mm;ADVANTEC社)に,除菌消臭剤100μℓを滴下して浸透させる(実験台上で)。これを,菌液を塗抹した培地の中心部に静かに乗せる。
③一定時間培養する通常は,表皮ブドウ球菌を塗抹した寒天培地は37℃で24時間培養する。
3-4.試験結果の判定<阻止円の計測>培養後にペーパーディスクの周囲に形成された阻止円の直径を計測して,以下の式から半径の長さを求める。直径の計測は2ヵ所から行い,その平均値を求める。

左図 黄色ブドウ球菌を用いた試験の培養後の写真
ペーパーディスクの周囲に形成された阻止円の判定はaの長さ<幅>を算出する。
*幅の一番長い箇所と一番短い箇所を計測してその平均値を求める。
a=(阻止円の直径の長さ-ペーパーディスクの直径<8mm>)÷ 2
4.試験結果の提示 繰り返し試験3回<n=3>の平均値を供試品の試験した微生物に対する増殖抑制効果として記述する。
供試した薬剤名

【真菌】
当NPO法人の保存菌株からコウジカビ(Aspergillus)、アオカビ(Penicillium)、
クロカビ(Cladosporium)のいずれかの種または複数種を供試菌として効果試験を行います。カビ抵抗性試験(JIS Z 2911,ISO-846等)で試験を行います。
また、ご希望に応じた実用試験を行います。
2) 室内塵性ダニに対する効果試験
当NPO法人で累代飼育しているコナヒョウヒダニ(Dermatophagoides farinae)を供試ダニとして、薬剤の特徴に応じて「殺ダニ効果、忌避効果、誘引効果」の試験を行います。
また、ご希望に応じたオリジナルの実用試験を行います。
3) 室内発生型昆虫に対する効果試験
当NPO法人で累代飼育しているヒラタチャタテ(Liposcelis bostrychophila)を供試虫として、薬剤の特徴に応じて「殺虫効果、忌避効果、誘引効果」の試験を行います。
また、ご希望に応じた他の昆虫(害虫)に対する実用試験を行います。